一般と店側の「あんこの認識」に対する違いがTwitterで反響を呼んでいます。北海道函館市で展開している和洋菓子屋「はこだて柳屋」が紹介した「あんこの違い」は、店の強いこだわりを示すことの証明にもなっていました。

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 「おそらく皆さまが考えている『あんこ』の認識 実際はこんな感じです」という説明とともに2枚の画像を投稿した、はこだて柳屋公式ツイッター。そこには、一般的な餡子(あんこ)のイメージと、それに対する店側の認識の違いが記されています。

 まず1枚目に記されていたのが一般側。そこでは、どらやき・最中・きんつば・大福といった、餡子を使う代表的な和菓子の餡子は、1種類しかないという「認識」。

 これに対する2枚目が、プロ側であるはこだて柳屋の「アンサー」。先述のどらやき・最中・きんつば・大福において使用する餡子は、「粒感」や「糖度」などの観点から、使用するものはそれぞれ異なるという内容。

 「『普段何気なく食べている和菓子が、実は種類ごとに、職人の手間が込められていることを知られていない方が多いのでは?』という考えから、今回投稿しようと考えたんです」と語るのは、先のはこだて柳屋公式ツイッター担当者。

 その狙いは奏功したようで、リプライ(返信)欄には、「マジか」「知らなかった」「お手間をかけているのですね」「甘く見ていた」などという声が寄せられ、同時に4万以上のいいねが集まっています。

 余談ですが、筆者は過去に製菓関連の仕事に就いていた時期があります。その経験からいうと、どこも「はこだて柳屋」のようにこだわっているわけではありません。単一の餡子にしたり、場合によっては業務用の餡子で済ませてしまう店や会社もあります。

 これは効率の良さという点もありますが、それ以上に餡子というものが、小豆を洗う&茹でる、数回に分けて煮る、砂糖と塩をかけてまた煮る、と意外に時間を要することにも理由があると考えられます。

 その上で今回、はこだて柳屋が示した認識というのは、それだけ餡子に対して強いこだわりを有しているということの証明。生クリームなどにもいえますが、ベースになる材料ほど意外と奥深かったりするものです。

 そんなはこだて柳屋ですが、取り扱い菓子は和洋両方。年間で100種類以上のお菓子を製造販売しているんだとか。特に代表的な銘菓が、いかを羊羹にしたその名も「いかようかん」に、ホワイトチョコ・林檎・チーズ・こしあんといった様々な味も楽しめるパイ生地で作った饅頭「ロマネスク函館」だそう。

 また現在、函館市内で13店舗を展開している「はこだて柳屋」ですが、通販サイトでも商品取り扱いがあるようですよ。

<取材協力>
和洋菓子 はこだて柳屋のツイッター(@YANAGIYA0989)
はこだて柳屋(http://hakodate-yanagiya.com/

(向山純平)

餡子を甘く見てはいけない 北海道・はこだて柳屋が紹介する「あんこの違い」