陸上自衛隊は、2021年9月15日から28年ぶりとなる大規模な演習を行っている。11月下旬まで2カ月以上にわたり、全国約10万人の自衛隊員が参加する最大規模の演習だが、これに中国は強い警戒感を示しているようだ。中国国営テレビの中国中央電視台はこのほど、この大規模演習について「日本の軍事的な野心」の表れと分析する記事を掲載した。

 記事は、今回の演習が日本の「西南地区」で行われ、1993年以来の大規模な演習となることに注目した。全国10万人の自衛隊に加え、車両約2万両、航空機約120機が参加し、海上自衛隊航空自衛隊、及び在日米軍の一部も支援する予定で、「陸海空の自衛隊が一緒に演習するのは珍しいこと」と伝えた。

 今回の演習の目的について、岸信夫防衛相は「島しょ部への攻撃をはじめとする事態に対応するには、輸送力が鍵となる」と述べたことを記事は紹介した。これについて、「島しょ部への攻撃」というのは尖閣諸島(中国名:釣魚島)や台湾のことを指していると分析する日本メディアもあると紹介し、「曖昧な表現を使い、法の隙間を突くのは日本がよく使う外交手段だ。実際のところ、海上の矛盾を煽っているのは日本だ」と主張し、日本を非難した。

 また、今回の大規模演習初日となる15日午後に、北朝鮮弾道ミサイルを発射したことを紹介した。これについて米メディアは、北朝鮮による以ミサイル発射が日本の演習初日だったことに加え、米国のソン・キム北朝鮮担当特使が訪日して日韓の代表者と会談した2日目だったことに注目したと伝えている。

 最後に記事は、「日本では自民党の総裁選挙戦が行われているが、日本国内の政治の右傾化が続いている」としたうえで、日本で行われている28年ぶりとなる大規模な演習は「軍事的な野心の様々な予兆を示すもの」と主張、中国からすれば「日本の動きは強く警戒するに値する」と結んだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

陸上自衛隊の「大規模演習」が示す「日本の軍事的な野心」に警戒せよ=中国