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 太陽系は、太陽及び太陽の重力で周囲を直接的、あるいは間接的に公転する天体から構成される惑星系のことだ。

 現在確認されているのは8個の惑星と5個の準惑星、それらを公転する衛星、他多数の太陽系小天体などがあるが、当然のことながら惑星によって重力が異なる。

 ではどれくらい違いがあるのだろう?宇宙航空研究開発機構(JAXA)の惑星科学者、ジェームズ・オドノヒュー氏は、それをわかりやすく説明するために、太陽を含む12の惑星と準惑星の上空1kmから同じ重さのボールを落とした時の落下スピードがわかる動画を作成した。

 速く落ちる星ほど重力が大きいということだ。さて、一番ボールが速く落ちたのはどの星だったかわかるかな?

【画像】 太陽系の惑星・準惑星の重力の大きさを可視化

 このボール落とし競走に参加したのは太陽、8つの太陽系惑星と月、2つの準惑星の合計12の星だ。上空1kmから地表に向かって同じ重さのボールを落とし、その速さを競う。重力加速度が大きければ大きいほど先にゴールする。

 出場星とは左から順番に「太陽」「水星」「金星」「地球」「月」「火星」「ケレス(準惑星)」「木星」「土星」「天王星」「海王星」「冥王星準惑星)」となっている。

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 ちなみに、地球の重力加速度は約9.8m/s2だ。それではそのレース結果を以下の動画で見ていこう。

・合わせて読みたい→ちょっとビックリするような、宇宙の大きさについての真実

A 1 Kilometer "Ball Drop" On Solar System Bodies

太陽が圧勝。2位は木星、3位が海王星

 鬼速でボールが到着したのは太陽。わずか2.7秒で表面に到達し、ボールの表面到達時の速度は2663km/hに達している。

 次にゴールしたのは木星だ。9.0秒後に表面に到達。ボールの表面到達時の速度は801km/hだ。

 3番目にゴールしたのは海王星で13.4秒後。4番目が土星で13.8秒だ。そして5番目、ついに地球が14.3秒後にゴールした。達時点の速度は502km/hだ。

 重力加速度上位トップ5は、太陽、木星、海王星、土星、地球の順番となった。

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一番遅いのはケレス

 その先を見ていこう。金星と天王星が15.0秒でほぼ同時にゴール。水星と火星が23.2秒でほぼ同時にゴール。

 35.3秒後、ようやく月がゴールした。56.7秒後、ようやく冥王星がゴール。そして最下位(最も重力加速度が遅い)は、準惑星ケレスで、タイムは84.3秒。表面到達時の速度は91km/hとなった。

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 最終的なレース結果は、「太陽 → 木星 → 海王星 → 土星 → 地球 → 金星と天王星(同着) → 水星と火星(同着) → 月 → ケレス冥王星」となった。

 この結果は惑星の下に表記されている重力加速度(m/s2)と比例していることがわかるが、どの程度遅いのかが動画によって可視化されているのでわかりやすいね。

 物体を引きつけようとする重力の大きさは同じ太陽系でもこんなに違いがあるんだね。

 重力が小さいほど体重が軽くなるそうなので、もしも、地球で体重60kgの人が、月で体重を測ったら約10kg、ケレスで測ったら、1.84kgになるってことか。なんかいくらでも太れるとか思ったら負けなのだろうか。

追記(2021/09/26)本文の一部誤字を訂正して再送します。

 
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太陽系の中で、ボールが落ちるのが一番速いのはどの星か?(重力比較テスト)