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 アメリカ・ニューヨークの空港から、飼い主と一緒のフライトでイタリアへ向かう予定だった猫が、チェックインする際に逃げ出してしまった。

 知らずにイタリアに着いた飼い主は、SNSを介して猫の捜索を動物救助団体に依頼。その結果、18日間空港内に潜んでいた猫は無事救助されたという。

【画像】 フライト直前に猫が逃亡、飼い主だけ目的地に着く

 8月末、ニューヨークロングアイランドに住むサルヴァトーレ・ファツィオさんは、愛猫のエットーレを連れてイタリアへ向かうため、ジョン・F・ケネディ国際空港に到着した。

 ところが、貨物としてエットーレをチェックインした直後、キャリーケースから逃げ出したエットーレは、そのまま空港内で行方不明になってしまった。

 そうとは知らず、ファツィオさんは自分だけイタリアに着陸。そこで猫が一緒に来なかったことを知り、大きなショックを受けた。

空港でペットの捜索の許可が下りず捜査は難航

 ファツィオさんは、SNSを介してニューヨークにある動物救済団体『Long Island Cat Kitten Solution』に助けを求めた。

 事情を聞いた副社長のジョン・ディバッカーさんは、早速空港当局に連絡を取ったが、手続きは容易ではなかったようだ。

犬や猫などの旅客のペットが、空港の貨物担当者の手からすり抜けて、迷子になってしまうということは決して珍しいことではありません。

去年12月にも、私たちボランティアラガーディア空港の天井に迷い込んでいた猫を見つけ出しました。

ただ、空港の駐機場を捜索する許可を得ることがかなり困難なのです。

 ディバッカーさんは、空港側にその許可を申請した。しかしなかなか許可が下りず、とにかくできることをとボランティアスタッフと共に、ターミナルでエットーレの写真や特徴を記したチラシを貼って回っていたという。

 その時、1人の空港職員がエットーレが付けていたのと同じ首輪を発見した。

 その首輪は、水辺の傍の滑走路の端に落ちていたようで、職員はチラシの猫が付けていたものと同じであると気付き、知らせてくれたのだ。

 ディバッカーさんは、エットーレの安否を心配した。

水辺のそばで首輪だけが見つかったと聞いて、何かに攻撃されたのではないか、もしくは溺死したのではないかと心配しました。

とにかく、エットーレの身に何が起こったのかまるでわからなかったのです。

 このことがきっかけとなり、ようやく湾岸局は昼夜多忙な空港内での猫の捜索を、監視付きという条件でデイバッカーさんたちに許可した。

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 そこで、ディバッカーさんは夜間も確認できるカメラを滑走路に設置。人道的な罠も仕掛けてエットーレがかかってくれることを祈った。

18日後、ようやく捕獲

 すると、行方不明から実に18日後の午前1時頃、カメラからの警告を受けたディバッカーさんが駆け付けたところ、エットーレが餌を入れた仕掛けに入り捕獲された。

 健康診断のために獣医院へ運ばれたエットーレは、鼻の上を少し怪我していたのと、3週間近くも空港に潜んでいたことから、空腹の状態で体重が1.4gほど減っていた以外は特に問題がなく、元気にしていたという。

 ディバッカーさんは、無事にエットーレを保護できた喜びを、後のメディアの取材でこのように語っている。

空港の許可が下りるのに、あまりにも長い時間がかかってしまったので、少し希望を失いかけていました。とにかく見つかってよかったです。飼い主に連絡するととても喜んでいました。

 現在、エットーレはファツィオさんのガールフレンドに引き取られ、ファツィオさんがイタリアから戻って来るのを待っているという。

written by Scarlet / edited by parumo

 
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