キヤノンと中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京株式会社(以下、CHET)は、橋梁やトンネルなどの社会インフラ構造物や建築物の点検時に使用する画像の品質を可視化し精査できる点検画像品質確認ツール「Inspection Image Quality Checker」の共同検討に取り組んでいます。このたび、本ツールの有用性が確認されたことから、2021年10月6日より東京ビッグサイトで開催される「ハイウェイテクノフェア2021」のCHETブースにて参考展示します。

 インフラ構造物点検における「Inspection Image Quality Checker」活用フロー(イメージ)
社会インフラ構造物の一般的な定期点検は、近接目視を基本とし、必要に応じて触診・打音による点検が行われていますが、現場の条件によっては人が容易に点検場所に接近できない場合があります。そこで、点検の精度向上および安全性向上を目的とした点検支援技術として、高解像度カメラを用いた点検が認められ、点検の現場では高精細画像の活用が進んでいます。一方、点検用画像の撮影時には、人による撮影のほか、ドローンを使用した撮影なども行われ、ピンボケやブレが意図せず発生することがあります。そのため、大量の撮影画像の中からピンボケやブレによって点検に使用するのに適さない画像を抽出する作業や再撮影が発生するという課題がありました。

キヤノンはこれまでも「ひび割れ検知AI技術」を開発し、社会インフラ構造物の保守・管理に関わる点検作業の効率化をサポートしてきましたが、この課題解決のため、CHETとともに新たに「Inspection Image Quality Checker」の共同検討を行いました。本ツールでは、レンズ交換式カメラなどに使用されている、各画素が撮像と位相差AFを兼ねる撮像面位相差AF技術「デュアルピクセルCMOS AF」を応用し、画像のピンボケを、その度合いに応じて色分けし可視化することができます。また、ブレの発生状況や基準解像度への達成度なども確認が可能です。本ツールノートPC上で動作し、1枚あたり数秒で判定が可能なため、点検現場でも確認を行うことができ、大量の画像の中から点検に適した画像と再撮影が必要な画像を自動で短時間に分類することができます。これにより、人手による画像の確認作業負荷を軽減し、点検作業全体のさらなる高度化・効率化に貢献できると考えています。

キヤノンは今後、CHETとともに本ツールの実用性に関する検証を継続し、製品化に向けた検討を続けていきます。なお、2021年10月6日より東京ビッグサイトで開催される「ハイウェイテクノフェア2021」のCHETのブースにて本ツールを紹介予定です。

配信元企業:キヤノン株式会社

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