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 今日は何を着よう? 朝ごはんは何を食べよう? まず何をしよう?ケンブリッジ大学の研究によると、生活レベルの細々としたものを含め、一般的な成人は、1日のうちに3万5000回も、何かを選択し決断しているのだという。

 だが困ったことに、コロナ禍で生活の変化が起きたことで、短時間のうちにたくさんの決断を与儀無くされている人が急増しているという。

 一度に大量の決断を続けているとどうなるのか?脳のリソースが不足し、消耗してまともな判断ができなくなってしまう。これは「決断疲れ」と呼ばれている。

 だが、それを防ぐ為の対処法はいくつかあるそうだ。

【画像】 短期間で膨大な選択と決断をすることで生じる「決断疲れ」

 人は生活レベルを含め、毎日たくさんの選択と決断を繰り返している。その数は平均で3万5千回と言われており、あたりまえのように意思決定を下している。

 だが、短時間に大量の決断を繰り返すような事態になると、頭が休まらず疲れてしまう。まともな判断ができなくなり、仕事や生活のパフォーマンスがガクッと下がる。

 これは「決断疲れ」と呼ばれている。

 スティーブ・ジョブズ、マーク・ザッカーバーグ、リチャード・ブランソンなど、有名な経営者にはいつも同じ服を着ている人がいる。いわば「私服の制服化」で、決断疲れを避けるための対策なのだそうだ。

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新型コロナによる社会の変化が脳の負担を増やしている

 新型コロナによって、社会のあり方は大きく変わった。特に大きな変化は、学校の授業や仕事を自宅で行うようになったことだ。そのおかげで、私たちは新しいライフスタイルを模索しなければならなくなった。

 心理学リー・チェンバーズ氏によると、それによって普通と制約の境界が曖昧になってしまい、知らず知らずのうちにストレスになっているのだという。

 テレワークが当たり前になったことで、これまで何も考えずに行っていたルーチンが崩れてしまい、新たに決断しなければならないことが増えた。

 誰もが新しい生活パターンを作り出すために決断を迫られ、中には社会的な燃え尽き症候群に陥る人もいるのだそうだ。

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決断疲れかどうかを診断するには

 決断疲れかどうかの診断は簡単ではない。

 だが典型的な指標としては、「ちょっとした選択でも思考停止してしまう」「選択に圧倒される」「感情のバランスが取れていない」「後手後手に回る」といったものがある。

 「衝動的な買い物」もそうだ。もし夜中にAmazonで衝動買いをすることが増えたのならば、あなたは決断疲れなのかもしれない。

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決断疲れを防ぐ7つの対処法

 元々なかなか決められないタイプの人もいるだろう。だがライフスタイルや考え方を少し見つめ直すだけで、慌てず余裕をもって決断できるようになるという。

 そのためのヒントをチェンバーズ氏が伝えている。

1. 前もって計画する
 明日の予定は今日中に決めること。当日になって決断を迫られないようにすると、決断疲れによる認知能力への影響を緩和できる。

2. お腹が空いているときは決断しない
 お腹が空いているときに決断はNGだ。血糖値が下がっていると、衝動的な決断をしがちだからだ。

3. 優先順位を決める
 生活の中で優先順位の高い物事を5つリストアップしておくといい。時折、きちんとそれに従っているかチェックして、できていないようなら変える努力をしよう。

4. ルーチンを作る
 自分がやりやすいシンプルなルーチンを作ろう。多すぎる選択肢を絞って、圧倒されないようにするのだ。

5. セルフケアを優先する
 たまには仕事を減らすのも大切なことだ。そのためには、断る勇気と物事の線引きが必要になる。

6. 気が散るものを片付ける
 あれやこれやと手を出すと、脳の意思決定領域を使ってしまう。気を散らせるものを片付けて、目の前のことに集中しよう。こうすることで、より生産的な決断ができるようになる。

7. 大切なことは朝決定する
 一番大切で重要な決断は、朝に行うこと。夜型の人なら起きてさほど時間が立ってない昼頃だ。

 さほど重要でないことは後回しだ。また重要でないならシンプルな選択肢を選ぶといい。こうすることで決断力の消耗を抑えることができる。
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 仕事や学業、生活における自分の生産効率が下がっているな、と感じているなら、もしかしてそれは「決断疲れ」によるものかもしれない。上記にあげられたリストを参考に、改善できる部分は改善してみよう。

 新型コロナの影響で、ライフスタイルや働き方、学び方にも急激な変化が起きた。変化に対応するには、今まで以上の多くの決断を余儀なくされる。

 そこで無理に頑張りすぎると、脳が疲れてしまい、結果的に何も決められなくなってしまったり、間違った判断を招いてしまう。

 その状態が続くと、まったくやる気がでなくなったり、朝起きられなくなったり、人との関わりを避けたくなるうつ状態へと突入する場合もある。

 既にもうそこまでいっちゃっている人は、医師、またはその他の資格を有する医療従事者に相談しよう。

written by hiroching / edited by parumo

 
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人は毎日3万5000回、何かを決断している。まともな判断ができなくなる「決断疲れ」に対処する方法