ガソリンスタンドを運営する太陽鉱油は、千葉県の太陽鉱油 千葉新港サービスステーション(以下、SS)にて、無人決済システムTTG-SENSE MICRO」を導入し、敷地内に「超小型無人コンビニ」をオープンした。広さはわずか7平米で、自動販売機6機分ほどの大きさ。駐車できるスペースが限定されるので、コンビニや飲食店に立ち寄ることが難しいトラックドライバーの飲食需要を取り込む狙いだ。

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 TTG-SENSE MICROはファミマの無人店舗などに技術・ノウハウ提供するTOUCH TO GO(東京都港区)が展開するシステム。店内には、約170アイテムが並び、食品が7~8割、その他タオルなどの日用品が2~3割となっている。決済は交通系ICカードクレジット・現金に対応している。

 無人店舗の仕組みはどうなっているのだろうか? まず、天井に付いている8台のカメラで入店客を認識し、トラッキングする。商品棚に埋め込まれたセンサーと連携することで、誰がどの商品を持っているかを識別し、レジにて会計を完了させる。

 間違った商品を手にしても、元の棚に戻せばセンサーが重さを感知し、商品が棚に戻されたと認識する。いじわるな筆者は、わざと持っていた商品を他の商品棚に戻し、再度その商品を手に取ってレジに持って行ってみたが、8台のカメラセンサーの連携により関係のない商品がレジに表示されることはなかった。

 防犯対策はどうなっているのだろうか。商品を持った状態ではゲートが開かないことに加え、カメラの映像は、24時間対応のコールセンターに全て送られ、監視する仕組みになっている。買い物でトラブルがあった場合には、レジにあるボタンを押すことでコールセンターの担当者と話すこともできるという。

●わざわざコンビニ型にしなくても、自販機でいいのでは?

 5人ほどでいっぱいになってしまいそうなコンパクトな店内を見ていると、わざわざコンビニの形態にしなくても、日持ちするパンや軽食が買える自販機を置けばいいのでは?という疑問が湧いてくる。

 今回、TTG-SENSE MICROを導入したSSを運営する、太陽鉱油の経営企画部長 千原涼一氏に疑問をぶつけてみた。

 「TTG-SENSE MICROを導入した理由としては、親会社の三菱商事エネルギーから提案があったというのが大きいです。ただ、SSのようにトラック乗用車の来店客数が約10:1の店からすると、トラックドライバーの需要を満たしたり、課題を解決したりすることが重要なのは間違いありません。

 以前、ドライバーを対象にSSに置いてほしいもののアンケートを取ったところ、多くの方が『軽食』を挙げました。駐車スペースが限られるため、コンビニや飲食店に入れないという課題に対して何かしらの対応策を講じていく、今回はその最初のチャレンジとして、TTG-SENSE MICROの導入を決めました」(千原氏)

 ドライバーの飲食需要を満たすだけであれば、大手コンビニチェーンセブンイレブンジャパンファミリーマートが展開するコンビニ自販機を導入すれば解決できそうだが、なぜその形態を取らなかったのだろうか?

セブンファミマが展開している「コンビニ自販機」は、なぜダメ?

 その理由について、千原氏はコンビニ自販機の導入は、”場所貸しビジネス”になってしまうからだという。

 「コンビニ自販機は、セブンファミマなど母体となるお店があって、その出先という位置付けになります。当社はコンビニ業は営んでいないため、必然的に場所だけを貸し出すことになります。そうなると、大きな利益は見込めないですし、ビジネスとして面白くないなと思いました。

 今はドライバーから需要があるかを探る実証実験の段階です。コンビニ自販機は、コンビニ側が在庫リスクなどを抱えることになるため、現時点で出店を依頼したとしても、難しい可能性が高いと思います」(千原氏)

 工場の休憩スペースや学校など、一定時間その場所から出られない空間内に設置するのであれば採算が取れる可能性もあるが、流動性の高い場所に出すのはリスクが高いという判断なのだろう。

 「売上目標は、1日あたり1ケタ万円いけばいいかなと思っています。最低でも1年は運営する予定ですので、SSと相性のいい商品や時間帯でどういう商品が売れるのかなど、いろいろデータをためながらアップデートしていけばと思っています」(千原氏)

 従来であれば、「人件費のほうが高くつく」「店舗を建てるスペースがない」という理由で出店が難しかった場所にも進出できる。ガソリンスタンドだけでなく、病院やパーキングエリアサービスエリアなど、「ちょっともったいない」空間に超小型の無人決済コンビニが広がっていく未来も近いかもしれない。

超小型無人コンビニが千葉県のガソリンスタンドに誕生