その日女性は、娘が陣痛を起こしたという電話を受けた。生まれたばかりの孫に会うことを楽しみに娘のいる病院に向かったが、そこで心臓発作を起こして倒れた。
すぐに医師が駆けつけるも、その数分後心肺停止による臨床的な死亡が確認された。それでも病院のスタッフは諦めず懸命のCPR(心肺蘇生法)が行われた。
するとその45分後、女性は息を吹き返したのだ。地元ニュースは、これを医療の奇跡として報道した。
アメリカ、メリーランド州ボルチモアに住むキャシー・パッテンさんは、娘が陣痛をおこしていることを聞いて、ゴルフ場から急いで病院にかけつけた。
ところが、病院に到着すると心臓発作で倒れてしまったのだ。医師は臨床的に死んでいることを確認したが、懸命なCPR(心肺蘇生法)が行われた。
そして45分後、奇跡的に息を吹き返したのだ。
その間、娘のステイシー・ファイファーさんは、産道が開かず赤ちゃんが難儀していた。39時間に及ぶ陣痛の後、緊急帝王切開が必要となったものの、無事アローラちゃんを出産した。
第2の人生を与えられた女性、孫娘と面会
キャシーさんは、後遺症もなく完全に回復したが、これは極めて珍しいことだという。
CPRで蘇生できることは多々あるが、現実はかなり厳しい。2018年の調査によると、心停止を起こした人のうち、のちに退院できたのは約10.6%だけで、この値は重症度やタイミングによって変わる。
「これまでで最高の人間になれるような気分です。なんだかとても怖いくらいですが、第二の人生のチャンスを与えてもらえたことを神に感謝しています」キャシーさんは語っている。
娘のステイシーさんは、「母がこの病院に来たことはまさに運命だと思います。適切なタイミングで適切な場所にいたのは、アローラのおかげかもしれません」と語った。
キャシーさんの主治医もまた、この珍しい体験にただ恐れ入っている。
「キャシーさんにお帰りなさいとは言いません。ありがとうと言いたい」ボルチモア医療センターの医師ダブ・フランケルは言う。
「キャシーさんは、私たちに生きることの意味を、そして諦めないことの意味を教えてくれました」
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元気になったキャシーさんは、第二の人生をもらい、孫娘のアローラちゃんと面会を果たすことができた。
Viral Video : GBMC's use of innovative CPR training helps revive woman dead for 45 minutes
CPRの生存率は考えられているよりも低い
キャシーさんのように幸運なケースは、極めてまれだ。
「CPR(心肺蘇生法)は奇跡にように思わわれていますが、多くの場合、死または重度の神経障害で終わります」マドリードにあるトレホン大学病院のフアン・ルイス=ガルシアは2018年に語っている。
通常の生活に戻ることができず、完全には回復しない可能性も非常に高い。臨床的に死んだ状態でいる間に、脳が壊滅的な影響を受けて、生涯、後遺症が残ってしまうこともあるのだ。
だが、キャシーさんのように蘇生努力が功を奏することもときにはある。私たちはただそのことに感謝するべきだろう。
References:Woman Clinically Dead For 45 Minutes Miraculously Brought Back To Life: ‘So Grateful God Gave Me Second Chance’ – CBS Detroit / written by konohazuku / edited by parumo
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