
気候学者による最新の研究によれば、気候変動の影響により、今後はさらに大規模な自然災害が地球を襲うという。
例えば、今年(2021年)生まれた子供は、祖父母に比べて、7倍の熱波、2倍の山火事、3倍の干ばつ・不作・河川の洪水を経験することになるという。
研究の中心人物であるベルギー・ブリュッセル自由大学のウィム・ティエリー氏は、「現時点で40歳未満の人たちは、未曾有の気候災害の時代を生きることになるでしょう」と警鐘を鳴らす。
『Science』(21年9月26日付)に掲載された研究では、世界中のさまざまな世代が受ける気候変動、地球温暖化の影響を定量的に示している。
それによると、世代間の格差が非常に大きく、特に途上国の子供たちが大きな影響を受けるという。
たとえば、サハラ以南のアフリカ地域に暮らす1億7200万人の子供たちは、ヨーロッパと中央アジアの子供5300万人に比べて、50倍多くの熱波、6倍多くの異常気象を経験すると予測される。
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頻度だけでなく規模も大きくなる
これだけでも憂慮すべきものだが、実際にはそれ以上に過酷な現実が待っているかもしれない。
というのも、今回の研究は異常気象が起きる「頻度」だけを取り上げたもので、その「長さ」や「深刻さ」、それらが同時に起きたときの「相乗効果」を考慮していないからだ。
だが現実には、熱波や干ばつなどは年々厳しさを増しているし、それらが同時に起きれば被害は増幅される。

今ならまだ間に合う
それでも希望はあるとティエリー氏は述べている。もし各国が積極的に温室効果ガスの削減に取り組み、温暖化の進行を抑えられたならば、最悪のシナリオのいくつかは避けられるという。
10月31日から11月12日まで、スコットランド、グラスゴーで「国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)」が開催される。
すべての国が協力し、企業や市民と力を合わせ、気候変動対策への取り組みを推進することができれば、次世代の子供たちを守ることができるはずだ。
References:If You’re Under 40 You’re Gonna See Some Horrible Stuff, Scientists Say / written by hiroching / edited by parumo

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