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もくじ

幹しっかり だから枝葉も繁る
人間の感性に踏み込んだルノー
安全&運転支援 安心感は格別
悩ましき価格差 魅力ある2台

幹しっかり だから枝葉も繁る

AUTOCAR JAPAN sponsored by Renault Japon
執筆:Shigeo Kawashima(川島茂夫)
撮影:Hidenori Hanamura(花村英典)
編集:Taro Ueno(上野太朗)

実用性と嗜好性あるいは理性と感情だったり、クルマに求められる特徴を計る時は表裏となりそうなモノサシを揃えるべきだろう。

ただし、表裏であっても必ずしも矛盾をきたすわけでもない……。

メガーヌキャプチャーを試乗しながらそんなことを考えていた。

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ルノーメガーヌ(手前)とキャプチャー(奥)

例えば両モデルともに内外装デザインは時代性を備えながら埋没しない個性があり、しかも悪目立ちしない。

一目でルノー・ファミリーと理解できて、メガーヌはそこにプレミアム・ハッチバック特有の悠然とした佇まいを併せ持ち、キャプチャーはコンパクトSUVらしい機能感が与えられ、ごく自然に融合している。

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新しくなったルノーメガーヌ。内外装のディテールは「フレンチデザインをいっそう際立たせた」(ルノー)。フレンチ・ベーシックを突き詰めている。
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2020年、欧州SUV販売台数ナンバーワンとなったルノーキャプチャー。リアフェンダーの隆起について「アスリートのしなやかな筋肉を彷彿させる」と説明される。
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メガーヌは車格分類で言えばキャプチャーの上位モデルであり、車体平面寸法も一回り大きいのだが、並べて見ても殊更に「格上」を主張していない。

縦書きで「品格」と記せば分かりやすいが、「格上」を主張が強ければ「品」が下になる。

多分それはルノーの求めるデザインでもオーナーが求めるものでもないのだろう。

そういった個性を求めても我田引水に陥らないのもルノーらしさだ。

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いずれのモデルもカテゴリーが求めるセオリーや合理性、走行性能で言えば力学的な正当性に基づいた設計。

幹がしっかりしているから枝葉も繁るわけだ。

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人間の感性に踏み込んだルノー

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メガーヌキャプチャーはともに1.3Lの4気筒の直噴ターボと7速EDCを搭載。1.3L級と言っても過給器により最大トルクは自然吸気の2.5L超級に匹敵する。

しかも、発生回転数は高速巡航まで含めて最も使用頻度の高い1800rpmである。

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ルノーキャプチャーが搭載する1.3L 4気筒ターボは154ps/5500rpmと27.5kg-m/1800rpmを発揮。メガーヌは159ps/5500rpmで、他は同値。

低中速の緩加速から高速域での追い越しや登坂などを浅い踏み込みでこなしていく。踏み増しでは素早く加速に移行するが立ち上がりは滑らか。

対話感のある伸びやかな加速で心地よくも扱いやすい。

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ルノーキャプチャーは軽量化された最新シャシー「CMF-B」を下敷きとする。

乗り比べるとメガーヌは加速の小気味よさ、キャプチャーは余力感に向けた印象を受けたが、基本とするドライバビリティは共通している。

ターボらしいトルクと加速の持続性、そこにDCTならではのリズミカルな変速感が加わる。

ツーリングに於ける安寧とファントゥドライブの昂揚がバランスよく融合している。

安寧と昂揚はパワーフィールだけではなく、フットワークも同様だ。

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ルノーメガーヌは、ルノー・スポールモデルへの使用を前提として開発された高剛性シャシーを採用する。

メガーヌは揺るぎない接地感と操舵に滑らかな追従性、キャプチャーは往なしの効いた収束性と軽やかさが上乗せされているが、ドライバーに神経質な扱いや修正を求めない操縦感覚、落ち着きのある乗り心地など根幹に拘わる部分は共通している。

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メガーヌは前後共に225/40 R18のタイヤ/ホイールを組み合わせる。
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キャプチャーは前後共に215/55 R18のタイヤ/ホイールを組み合わせる。

走りの哲学や論理が同じなら当然でも、人間の感性に踏み込んだルノーのセンスがあればこそと言えよう。

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安全&運転支援 安心感は格別

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安全&運転支援機能は現代において走行性能の基本機能の1つといって過言ではない。補助や支援を使いこなすのも今やドラテクのうちである。

メガーヌキャプチャーともに全車速型ACC、側方車線の後方接近車両を検知するブラインドスポット・ワーニングや車間距離警報、標識認識機能などを標準装着。

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メガーヌのステアリング左側に全車速型ACCのスイッチが備わる。

メガーヌもトップクラスの運転支援機能を備え、ストレス少ない運転感覚と合わせてロングツアラーとして高いポテンシャルを有するが、開発年度が新しいキャプチャーはACCの停車保持機能や車線中央維持支援機能など最新の運転支援技術が導入されている。

もちろん、歩行者対応型の衝突回避及び衝突軽減システムや駐車場等の後退時に後方接近車両を検知するリア・クロストラフィック・アラートなど都市部での安心を高める安全&運転支援機能も標準。

さらにキャプチャーには自車を中心に周囲を俯瞰表示する360°カメラを装備し、SUVに不慣れなドライバーでも戸惑うことなく駐車場での取り回せる。

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キャプチャーに備わる周囲を俯瞰表示する360°カメラ。

頻繁な周囲状況確認等々は運転の必須作業。精神的にもストレスが溜まるが、生活の場でも長駆レジャーでも安全&運転支援システムが大幅軽減してくれる。

それがパワートレインやシャシーの基本性能に上乗せされるのだからタウン&ツーリングでの実践力が高さは格別だ。

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悩ましき価格差 魅力ある2台

着座位置に対して高めのインパネとベルトライン。やや後傾気味の着座姿勢もあって沈み込むようなメガーヌの居心地。

一方、キャプチャーは高いアイポイントで見晴らしを利かせている。

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メガーヌキャビンは平面寸法を活かした寛ぎ、いわゆる上級クラスらしい居住性であり、キャプチャーゆとりの室内高を活かしてユーティリティを向上させている。

車格とカテゴリーの違いが現れているが、スマホと連携したデジタル・オーディオシステム等のインフォテインメント系やルノーらしい個性と馴染みのいい設えは共通した魅力だ。

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メガーヌのシートは優しいかけ心地。体全体を厚みのあるクッションが包む。
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ルノーキャプチャーのインテリア。 写真・ルノー・ジャポン

両車の比較して興味深いのは価格設定だ。市場のトレンドはSUV、つまりキャプチャーに追い風であり、なおかつコンパクトSUV相対でも魅力的なモデルである。

市場の最新とルノーの最新が揃って買い得感も高い。

しかし、同等装備を備えて車両本体価格の差は11万円でしかなく、ツーリング&スポーティを軸に車格感と寛ぎを求めるならメガーヌコスパも相当なものだ。

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300万円台前半は輸入車ではエントリーに近く、同車格同カテゴリーの国産車と比較しても値頃感が高い。

メガーヌキャプチャーのどちらが適切かは個々の用途による部分が大きいが、同予算帯での愛車選びでは両車とも候補車にすべきモデルなのは間違いないだろう。

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