トルコ北西部のイスタンブールにバスや電車、フェリーなど公共交通機関を乗り継いで毎日街を旅する野良犬がいる。この犬は通勤客と一緒に駅構内の階段を上って改札を通り、電車に乗る際には降りる人を待ってからというマナーまで持ち合わせている。今では6万人以上のフォロワーを抱えるSNSアカウントを持つ人気者になっていることを『The Daily Star』などが伝えた。

トルコには野良犬や野良猫が多く暮らしており、イスタンブールでは近くにある森に約4000頭の野良犬がいるという。こうした野良の動物に優しく接する国民性で知られており、日常生活の中で犬や猫と共存するのが当たり前となっている。

しかしこのたび話題の野良犬は変わった一面を見せており、大人気になっているようだ。

“ボジ(Boji)”と呼ばれているこの犬は、アナトリアン・シェパード・ドッグのミックス犬で野良犬として自由に生活している。大都市イスタンブールには地下鉄、電車、バス、フェリーなど様々な公共交通機関があり、ボジもこれらを利用してイスタンブールの街並みを満喫しているのだ。

ある利用客が撮影した動画には、エスカレーターでホームに向かう多くの通勤客を横目に軽やかに階段を上るボジの姿が映っている。階段を上り切ると尻尾を振りながら嬉しそうに改札を通り抜け、慣れた足取りでホーム行きのエレベーターへ向かった。

エレベーターはすでに人が乗っていてドアが閉まる直前だったが、ボジが乗り込むのを分かっていたようでドアを開けたまま迎え入れていた。

乗車中は座席の上で寝そべっていることもあれば、通勤ラッシュの時間で座る場所がないと床の上で寝ることもあるという。殺伐とした空気が流れる通勤時間帯も、ボジがいればそれだけで和やかな空間になるだろう。

ボジの姿は市内でたちまち有名となり、専用TwitterやInstagramのアカウントまで設置された。フォロワー数はTwitterで6.4万人超となっており、多くの人がボジの旅の様子を楽しみにしているようだ。

またボジの片耳に付けられた緑色のマイクロチップタグは、地下鉄運営会社「Istanbul Metro」が付けたものだという。同社でオペレーション管理を務めるオマー・タスカラさん(Omer Taskara)は「私たちはボジがお腹を空かせていないか、喉が渇いていないか、どの電車に乗っているのか、どこにいるのかなどをチェックするためにマイクロチップを取り付けました」と明かしている。

大人しくてフレンドリーな性格を持つボジは、利用客とじゃれて遊んだり、通勤客の自撮りに写ることもある。野良犬なので狂犬病など感染症が懸念されるが、ボジはすでに狂犬病の予防接種を済ませており撫でても安全だという。

通勤客からは「ボジは地下鉄を幸せな空間にしてくれて、人々を笑顔にしてくれます」「素晴らしいことだと思いますよ。ボジには長生きして、旅を続けて欲しいです」などの声が届いており、ボジの旅を優しく見守っているようだ。

画像は『İstanbul’u Turlayan Köpek 2021年10月4日付Instagram「Bugün biraz yoğundu, Fatih’te başlayan günümüz Bayrampaşa,」「Hi, I’m Boji of Istanbul」、2021年10月2日付Instagram「BOJİ ile Toplu Ulaşım Kuralları:」』『The Daily Star 2021年10月6日付「Stray dog travels 18 miles a day cheering up commuters on trains, ferries and buses」(Image: REUTERS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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