飛行機に乗る時に預けるスーツケースなどの手荷物は、日本国内では丁寧に取り扱われても、海外ではそうはいきません。

大手航空会社でもビジネスクラスの利用であっても、手荷物の損壊や紛失などは、もはや日常茶飯事といっても過言ではないのです。

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筆者は先日、ヨーロッパの空港でスーツケースを預けたところ、2回の乗り継ぎを経て日本の空港で受け取ると角に大きな凹みを発見。これはどうにか補償してほしいと、空港スタッフに申し立てる経験をしました。

今回は、スーツケースなどの預けた手荷物が破損していたらどうすればよいか、身をもって経験したトラブル対処法を紹介していきます。

受託手荷物の破損は“空港を出る前”に必ず申告を!

ターンテーブル近くに「Baggage Claim」は必ずある image by:Joshua Lehew/Shutterstock.com

まず、預けたスーツケースなどの受託手荷物が、到着時の空港で壊れているのを見つけた場合について。これは真っ先に、ターンテーブルの近くにいる航空会社のスタッフに申し出ましょう。実はこれが一番大事です。

海外の主要空港はどこでも行列覚悟 image by:Shutterstock.com

スタッフが見当たらなかった場合、「Baggage Claim」という手荷物受け取り専用窓口へ向かいます。海外だと手荷物のトラブルがあまりに多いので、長い行列ができて混んでいることも多々。順番は守りつつも、途中で抜かされてしまわないように、くれぐれも注意してください。

航空会社への申告は、必ず“空港を出る前”におこなうこと。空港を出てしまうと、フライト中での過失と認められない場合が多いです。

もし、空港を出た後に気づいた場合は、海外旅行保険の補償対象になることもあるので、これもしっかり覚えておきましょう。

出発フロアにある航空会社のカウンターで相談する手もある image by:1000 Words/Shutterstock.com

修理をおこなうのは、原則、航空券を発券した航空会社です。ただ、直近の到着便が違う航空会社ということもあり得ます。その際も、近くにいる航空会社のスタッフに相談するのが最も手っ取り早いです。

航空会社が発行する「事故証明書」の原本がとても大事

角が大きく凹んだ筆者のスーツケース image by:シカマアキ

航空会社に手荷物の破損を申告して認められると、航空会社が発行する「事故証明書」がもらえます。これもとても大事なのです。

修理代金は、航空会社負担が基本です。筆者は、事故証明書と一緒に、クロネコヤマトの着払発送伝票も受け取りました。

指定の修理会社への発送は、自分で対応する必要があります。クロネコヤマトの場合、自宅まで引き取りに来てもらうか、自分で営業所へ持ち込む、またはコンビニなどへ持参して送ることもできます。

筆者は、帰国翌日にクロネコヤマトから修理会社にスーツケースを発送。約2週間で戻ってきました。破損した場所はきれいに直り、修理費用の自己負担はゼロでした。

修理完了まで1カ月ほどかかると説明書に記載あり、直近でまた使う場合はその旨を記載する欄もありました。

明らかに壊されたスーツケースは必ず申告を image by:Shutterstock.com

空港を出てから気づいた場合、また、海外旅行保険で破損したスーツケースを修理する際には、「携行品損害」扱いとして処理されます。

申告1回につき10万円までが基本。保険会社への請求も、航空会社が発行する事故証明書があれば手続きがスムーズにいきます。逆になければ、保険金が下りないことも。

さらに気を付けないといけないのが、修理対象となるのは本体の凹みや車輪などで、故障しやすい「取っ手」などは修理対象外となることもあります。航空会社によって対応が異なるので、ダメ元でもまずは交渉してみるのが肝心です。