坂道がたくさんある街があります。山がすぐそばまで迫った港町は、坂道が多い街の典型です。坂が多い街として有名な「長崎市」はその代表格で、他にも「熱海市」「尾道市」「小樽市」といった港町もそうですね。今回は、坂道が多い街についてです。

■坂道の多い12都市は……

「全国斜面都市連絡協議会」という団体があって、日本全国で坂道の多い12都市が加盟しています。

小樽市
函館市
横須賀市
熱海市
尾道市
呉市
下関市
別府市
長崎市
佐世保市
北九州市
神戸市

この12都市が加盟しているのですが、どこも港町で有名な所ばかりですね。これらの都市について市街地のどのくらいが「斜面」になっているのかを調査した、天野充さん、杉山和一さん、全炳徳さんによる「全国斜面都市の比較分析」という研究があります。

それによりますと、斜面の多い順番に以下のようになります。

*……この研究では「市・区における傾斜度が10度以上の市街地」を「斜面市街地」と定義しています。下のデータはその都市の市街地における「斜面市街地」の割合です。

■12都市の「斜面市街地」の割合ランキング
第1位 熱海市……55.8%
第2位 長崎市……43.0%
第3位 呉市……31.6%
第4位 佐世保市……25.2%
第5位 横須賀市……23.7%
第6位 尾道市……23.4%
第7位 小樽市……21.7%
第8位 北九州市……10.8%
第9位 神戸市……9.6%
第10位 別府市……6.4%
第11位 下関市……2.0%
第12位 函館市……1.6%

熱海市」では、なんと市街地の面積の半分以上が「斜面市街地」なのです! これは坂が多くても当然ですね。また「坂の街」として知られる「長崎市」でも43%が「斜面市街地」となっています。こちらも坂が多くなるわけです。

一方、「全国斜面都市連絡協議会」に加盟している都市でも意外に「斜面市街地」の割合の小さな都市もあるようです。「函館市」はわずかに1.6%が「斜面市街地」であるにとどまっています。

一説によれば東京にも名前が付いている坂が700以上もあるそうです。日本の街には坂が付き物で、また坂があるからこそ風情のある日本らしい景色になるのかもしれませんね。

⇒データ出典:「全国斜面都市の比較分析」
https://www.jsce.or.jp/library/open/proc/maglist2/00039/200411_no30/pdf/125.pdf

(高橋モータース@dcp)